「第32回障がい者制度改革推進会議」が開催されました。(「災害と障がい者」を中心として)


一昨日の5月23日(月)に内閣府主催の「第32回障がい者制度改革推進会議」が開催されました。

予定では障害者基本法改正に関連した議論になる予定でしたが、3月11日に発生した東日本大震災の関係で予定になかった課題での議論になりました。


  平成23年5月23日(月)13:00〜17:00
             場所:中央合同庁舎第4号館共用220会議室


(開会)
  ○議事
   (1)災害と障害者について
   (2)その他
(閉会)


【資料一覧】
  資料1 災害と障害者に関する意見一覧
  資料2−1 障害関連団体による災害救援活動の概要(1)
  資料2−2 障害関連団体による災害救援活動の概要(2)
  
  委員提出資料
   小川榮一委員 (PDF形式:480KB)
   長瀬修委員 (PDF形式:161KB)

  参考資料1 災害時要援護者の避難支援ガイドライン(平成18年3月 災害時要援護者の避難対策に関する検討会) (PDF形式:155KB)
  参考資料2 災害時要援護者の避難支援対策の調査結果(平成22年6月30日 消防庁) (PDF形式:273KB)


第32回障がい者制度改革推進会議議事次第
http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kaikaku/s_kaigi/k_32/index.html

いつものように、内閣府のサイトには「配布資料」の掲載と「動画配信」がされています。
http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kaikaku/kaikaku.html#kaigi



冒頭、関参事官から障害者基本法改正案が国会に提出されており、その後の動向についての説明がありました。

その後、東室長から上記資料1に基づき概要と報告がありました。
そのなかで、障がい関連団体からの報告を元に集計した結果、障がい者の死亡・行方不明者の割合(健常者の割合の2倍)が高いのではないかという報告がありました。

このことが、朝日新聞に取り上げられていました。

震災犠牲者、障害者は2倍 死亡・不明2%、内閣府推計
 東日本大震災で被災した沿岸自治体に住む障害者のうち、2%超が亡くなったり行方不明になったりした可能性があることが、内閣府の聞き取り調査で明らかになった。住民全体に占める死者・行方不明者は1%弱。障害者は2倍に上り、被害が際だっている。

2011年5月23日21時26分
asahi.com
http://www.asahi.com/national/update/0523/TKY201105230516.html

*1

また、参考資料1は「災害時要援護者の避難支援ガイドライン」(平成18年3月:災害時要援護者の避難対策に関する検討会)には、「情報伝達体制の整備」、「災害時要援護者情報の共有」、「災害時要援護者の避難支援計画の具体化」、「避難所における支援」、「関係機関等の間の連携」といった課題が掲載されている。
併せて、先進的・積極的な取り組みをしている事例、避難所での支援を中心とした取り組み事例の紹介がされている。
このガイドラインは一読を要すると思う。
長年の経験を踏まえた社会的弱者への支援の課題が掲載されている。
ガイドラインというからには、各都道府県や各市町村自治体がこのガイドラインを踏まえてというか参考にして地域性を尊重した独自のそして具体的な避難支援計画を策定しておく必要があったということです。

さらに、参考資料2では政府が平成20年4月に策定した「自然災害の『犠牲者ゼロ』を目指すための総合プラン」に基づき、高齢者や障がい者などの災害時要援護者の避難支援対策として、平成21年度までを目途に各市町村において災害時要援護者の避難支援の取組み方針(全体計画などの策定、災害時要援護者名簿の整備、個別計画の策定)が策定することになっていました。

しかし、…。

その策定状況が総務省消防庁のサイトに掲載されていました。
平成22年6月30日プレス発表 「災害時要援護者の避難支援対策の調査結果」(PDFファイル)
http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kaikaku/s_kaigi/k_32/pdf/ref2.pdf

あなたの自治体の策定状況はいかがでしょうか。
都道府県別、市町村別の調査結果の詳細(PDFファイル)も掲載されています。
市区町村における災害時要援護者の避難支援対策の取組状況(全体計画、災害時要援護者名簿、個別計画の策定状況)を調査した結果です。
http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/houdou/2206/220630_1houdou/02_betten1.pdf

市区町村における災害時要援護者対策の担当部署の調査結果(PDFファイル)
http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/houdou/2206/220630_1houdou/02_betten2.pdf



この日の様子をCBニュースが伝えています。

震災受け、災害時の障害者施策を議論- 障がい者制度改革会議
 内閣府の「障がい者制度改革推進会議」(議長=小川榮一・日本障害フォーラム代表)は5月23日、32回目の会合を開き、災害時における障害者への支援などについて議論した。

また、この日の議論では、行政や障害関連団体の間で、被災した障害者の情報を共有する上で、個人情報保護法が弊害になっているとする指摘が多く出た。

( 2011年05月23日 20:40 キャリアブレイン )
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/34277.html

*2

さらには、障がい者制度改革推進会議からは離れますが、災害時要援護者への対応については平成23年3月3日に開催(東日本大震災の直前に開催)された「社会・援護局関係主務課長会議」において同局総務課から膨大な資料に基づき説明がされていました。

厚生労働省のサイトから「社会・援護局関係主管課長会議資料」について
http://www.mhlw.go.jp/bunya/seikatsuhogo/kaigi/110307-1/

総務課全体版 (PDFファイル・1.3MB)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/seikatsuhogo/kaigi/110307-1/dl/01.pdf

(重点事項)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/seikatsuhogo/kaigi/110307-1/dl/01_01.pdf
3.災害対策等について
http://www.mhlw.go.jp/bunya/seikatsuhogo/kaigi/110307-1/dl/01_02.pdf
(参考資料)
3〜6
http://www.mhlw.go.jp/bunya/seikatsuhogo/kaigi/110307-1/dl/01_03.pdf


生憎にも、3月11日発生の東日本大震災の直前にこのように「災害時要援護者への対応」について話し合いがされていたとは思いませんでした。


どこの障がい者団体も同様であるとは思いますが、この大震災に関連して5月25日(水)に茨城県では県内の障がい者団体から震災時の被害状況や行政への要望などを協議することになっており、茨城県自閉症協会でも会員の被災状況報告(4月10日に会員あて通信調査をした結果や鹿行地区の液状化現象を中心に報告)や行政への要望などを報告することになっています。
この通信調査結果では、住居の被災状況、震災と自閉症児者、避難所での自閉症児者、非常時の生活の課題などを報告することになっています。
また、この大震災で延期となっっていた世界自閉症啓発デーのイベントが6月18日(土)に再開催(世界自閉症啓発デー2011・シンポジウム)となり、そのなかで「被災地からの報告」を茨城県自閉症協会から行うことになっています。

世界自閉症啓発デー実行委員会公式ホームページ http://www.worldautismawarenessday.jp/htdocs/index.php?action=pages_view_main&page_id=13

世界自閉症啓発デー2011・シンポジウム http://www.worldautismawarenessday.jp/htdocs/index.php?action=pages_view_main&page_id=166

『災害と自閉症』〜共に支えあい、共に生きる〜 (リーフレット・PDFファイル)
http://www.worldautismawarenessday.jp/images/handbill2011.pdf


また、茨城県自閉症協会青年・成人期部会では来る7月10日(日)に、この大震災を機に改めて日本自閉症協会は発行した自閉症の人たちのための「防災ハンドブック」を学び直し、「助けてカード」の作成をすることにしている。
茨城県自閉症協会のサイト(この案内のためのチラシは作成中なので、後日掲載します)
http://asibaraki.web.fc2.com/



さらには、今週27日(金)に開催する水戸手をつなぐ育成会(日本手をつなぐ育成会加盟団体)では総会の後、「震災時の援助はあるの? どうすればいいの?」と題して「被災者からの報告」と「会員からのアンケート結果」に基づいて防災計画や防災マニュアル、そして被災時の対応について意見交換会を行うことにしており、その意見交換会ではアンケート結果への水戸市役所防災担当課長からコメントをいただくことになっています。

この研修会の司会進行を副会長として仰せつかっているので、前述の「災害時要援護者の避難支援対策の取組状況(全体計画、災害時要援護者名簿、個別計画の策定状況)」について確認することで振り向けてみたい。

*1:1.朝日新聞社asahi.comから引用させていただきました。

*2:2.CBニュースから引用させていただきました。