自閉症連続セミナー「自閉症の人たちのらいふステージ」を開催しました。


昨日、茨城県自閉症協会主催(後援:茨城県、全国障害者問題研究会茨城支部茨城県障害者問題研究会=茨障研)で自閉症連続セミナー自閉症の人たちのらいふステージ」〜自閉症児者がいきいきと地域で暮らしていくために〜を開催しました。

茨城県自閉症協会ホームページ http://asibaraki.web.fc2.com/


後援の茨城県からは「人権啓発活動事業」として開催に当たっての予算面での助成を受けました。
また、茨障研からは開催案内に当たっての広報と人的支援を受けました。


この自閉症連続セミナーは、10月31日(日)と11月27日(土)の2日間でセミナー1:幼児期、セミナー2:学齢期、セミナー3:思春期、セミナー4:成人期の4講座を武藤直子先生を招いて開催しました。


武藤直子先生は全国療育相談センターのスーパーバイザー、親子相談センター所長、心の発達研究所理事、そして自閉症スペクトラム支援士、臨床心理士として全国的に活躍されている方です。
武藤先生には、2008年に開催したシンポジウムで「自閉症スペクトラムの基本概念と支援」と題して講演をいただいきました。そのときに提出していただいたアンケートで「基礎からもっと時間をかけて幅広い内容まで学びたい」との要望が多かったことから、今回の企画となりました。


セミナー1:幼児期では自閉症と発達障がいの基礎知識、自閉症の行動と特徴、太田ステージの理解、障がい受容のプロセス、幼児期にしておきたいことなどパワーポイントを用いりながら分かりやすく説明をしていただきました。


セミナー2:学齢期では発達課題についての講演で、学齢期は一番伸ばせる時期であることを強調しながら、発達の道筋、障がいモデルのなかでの太田ステージの操作基準を映像を交えながら分かりやすく説明をしていただきました。

太田ステージの解説もしていただきました。
ステージ1、ステージ2、ステージ3-1・3-2、ステージ4、ステージ5の理解、そして具体的な支援または指示の方法などを解説していただきました。

このセミナーでは太田ステージに対する質問が多くあり、武藤先生からは丁寧に解説をしていただきました。


セミナー3:思春期では問題行動への対応、行動に関連する要因の分析、問題行動への具体的な対処方法などを前置きしながら、思春期に起こってくること、思春期に心がけておきたいこと、思春期までにしておきたいこと、性的な発達など実践や実例に基づいた後援をしていただきました。

  


ここでも具体的な支援や指示は「絵に描ける指示」をするように心がけることという解説は心に残りました。


セミナー4:青年・成人期では高機能自閉症アスペルガー症候群の解説、社会性の発達を促すために、周りの対応方法、本人側の対応、就労を考えたとき必要なこと、そして余暇の活用、親に期待されることなど発達の年齢にあった生活によって安定を図る(二次障がいを起こさない)、生きることを楽しむ(働くことや愛すること)、そして社会や回りの理解を求めつつ、「ちがい」を受け入れる成熟した社会の実現に取り組む必要性を訴えていました。

この日の質疑応答でも保護者から施設職員まで数多くの質疑にも丁寧に答えられており、セミナー終了後も個別の質問にも答えていただきました。

  



セミナー終了後に提出していただいたアンケートは集計次第、茨城県自閉症協会のホームページにUPする予定ですが、そのまとめの概要を下記に掲載します。


・実生活においての具体的な例とアドバイスを話していただけたので、わかりやすくためになった。(保護者)
・太田ステージ!子ども達を理解する手立てとしてすばらしいツールですね。もっと勉強して活用できればと思いました。(保護者)
・今回のセミナーに参加し、これだけの学びをいただけると、本当に安心してこれからの様々なことに、元気に明るく挑んでいける気がします。(保護者)
・体的な例を挙げての話で興味深く聞かせていただいた。自閉症と思われる児童への関わりを「段階を踏んで関わる必要性」を感じた。(教育関係者)
・武藤先生のお話は具体的事例が数多く実践的対処法が聞けて参考になった。「小児科の先生方がこの分野に参加して下さることで保護者は大きな力をもらえる」という話は、同感。一生に亘っての支援のあり方が何となくわかった。(教育関係者)
・童保育で自閉症児に接し、彼らの行動の不思議さがどういう意味を持っていたのか、先生のお話を聞くうちにわかってきました。「×だけでなく、○とセットで子ども達に伝える接し方」等、とてもためになった。(施設職員)
・知的障がいを抱えた人たちの通所授産施設の職員〜最近問題行動が表出し、支援に困っている利用者がいるが、支援方法の糸口が見えた気がする。早々に実施したい。(施設職員)
・身内の子どもが自閉症と診断されましたが、全く知識がなくどうしたらよいかわからず参加しました。先生のお話はとてもわかりやすくよかったです。(医療関係者)
・社会には自閉症を知らない人たちがたくさんいる。環境を整えることを願ってもなかなか実現しない。自閉症者をきちんと社会に適応できるように育てる方がずっと早いと思う。(保護者)


いかがだってでしょうか。

このセミナーに参加していない方にもこの自閉症連続セミナーのさわりだけでも分かっていただけるようアンケートでの感想やご意見を交えて掲載しました。


茨城県自閉症協会が開催する来年度の「自閉症セミナー」にご期待ください。